引っ越しをしてからというもの、自分が住める家にするために、どのくらいエネルギーを費やしてきたのだろうか・・・
へとへとになって、体が動かなくなっても、元気になれば、またやりはじめる。
なぜ山に登るのか、そこに山があるから ではないけれど、そこに気に食わない壁があれば塗り直し、気持ち悪い床があれば張り替える。
このリフオーム魂は、どこからくるのだろう・・・
思い返せば、中学生ぐらいから自分の部屋の装飾にこだわりはじめ、親に頼み込んで、ブラインドにしたり、外国のビールの缶を飾ったり(今ではありえないけど)していました。
理想は、質感のあるミニマムで、最近は、それに加えて色気もほしいかな という感じですが、心地よくしようとすると、ナチュラル系になってしまいます。今は、この古い家でどこまでできるかというチャレンジです。
自分で黙々とやるのが好きなので、あまり人にも頼まず、床張り、壁剥がし、壁塗りを延々とやってきました。
一段落ついた先日、家の気を感じて、配置をアドバイスする仕事をしているママ友が、急に家に来ました。しばらくたたずんで、私の話をきいたあと、こういいました。「人に、助けてって、言えない人でしょ?」「人も信頼できないし、それは自分も信頼できてないんだよ」「本当に言いたいことは言わないでしょ?」「本当にやりたいことじゃないことをやってるでしょ?」etc ずばり指摘されて、はい、その通りです。と観念しました。
自分に向き合うことを避けて、何かや、誰かのせいにして、遠回りをしてしまう癖、被害者になることでしか助けを求められない自分。自分でも気付きはじめていました。
とは言え、家の浄化は自分の浄化でもあるし、作業は瞑想でもあるので、気付きを胸に、その先の自分のためにもう少しやろうと思います。
本題のキッチンですが、これまでの作業は、前の家に張っていた秋田杉を再利用して張り替え、油汚れの砂壁をはがし、漆喰を塗り、棚を設置しました。
ここのキッチンは、いろいろな部屋とつながっているので、引き戸ばかりで、物の配置が難しく、食器棚もオープンな感じになってしまい、いっそカフェ風にカウンターでも作るか、と考えてました。この考えは後回しになってましたが、収納しきれない物が気になり始めたので、考えを形にすることにしました。
まず目を付けたのが、この、一応、デンマーク製の棚。20年近く前に食器棚として購入しましたが、子供の車が追突してガラスが割れたり、引っ越して角が削れたりと老朽化して、納屋の物入れになってました。今回の引っ越しで捨てるかどうか悩み、また納屋で使うかなと、なんとか生き延びてました。この棚の高さと幅がちょうどいいので土台として使うことにしました。なんでも捨てればいいというものではないですね。
アールを付けたカウンターを作りたいので、いろいろ考え、薄いベニアでやってみることにしました。
まず、ベニヤを貼付ける土台になる形を木で作り、ボンドと木ねじで止めていきます。電動工具は電動丸鋸、電動ノコギリ、インパクトドライバー、電動ドリルを使います。
薄いベニヤを強引に曲げて、貼り付けようと考えていましたが、思うように曲がらないので、カッターで切れ目を入れて曲げることにしました。意外にうまくいきました。
天板を裏からインパクトで止め、曲げたベニヤをボンドと釘で土台に貼り付けました。この上から漆喰を塗れば完成!とは、そう簡単にいきませんでした。
一度、漆喰を塗った時点でベニヤの茶色が滲み出てきてしまいました。最初にペンキで白く塗ってからやるべきでした。乾くのを待って、水性塗料の白で塗り、また漆喰を塗りました。すると今度はひび割れや色むらも出てしまい、もう一度、漆喰を塗ることになりました。厚塗りで、結果的にはしっかりしたような気もしますが、貴重な漆喰を贅沢に使ってしまいました。でもほかの材料はベニア以外、すべて家にあるものでまかないました。
写真ではとんでしまいましたが、漆喰を左官塗りした質感があります。タイルなど貼るのもかわいいかもしれません。
問題はキッチンに合うかどうか・・・
まあ、なんとか合わなくもなく、いろいろと収納できてスッキリしました。
これはビフォアです。 油汚れでギトギトのキッチン収納を洗い、壁を剥がしている途中です。モルタルの上に吹き付けの砂壁のようです。
そして、これはなんでしょう。
合板でつくり、その上に0.1ミリのステンレス板を丁寧に切って貼ります。
なんちゃってシステムキッチンのできあがり!
引き出し付きです。
見た目がきれいになると、空気もきれいになった気がします。